大宗商品価格高騰を背景に、豪ドル/米ドル為替レートが10カ月ぶり高値に到達

鉄鉱石や金価格の上昇、そしてFRB利下げ期待による市場のリスク選好改善を受け、豪ドルは力強い上昇トレンドを示しています。

9月10日、豪ドル/米ドル（AUD/USD）は0.6636まで上昇し、2024年11月以来の最高値を記録しました。この上昇はオーストラリアの主要輸出品である資源価格の好調と、米国の金融政策転換期待が重なった結果といえます。

豪ドル上昇の主要因

専門家の分析によれば、豪ドル相場の堅調な上昇には主に2つの要因が寄与しています：

1. 資源価格の上昇：オーストラリアは世界最大の鉄鉱石生産・輸出国であり、主要な金輸出国でもあります。過去1カ月間で鉄鉱石価格は3.8%上昇し、金価格はさらに大きく6.8%上昇しました。これらの資源価格上昇が豪ドルに対する需要を高めています。

2. 米ドル弱含み：米国の雇用統計が予想を下回る弱さを示したことで、市場は米連邦準備制度（FRB）が年内にさらに3回の利下げを実施するとの見方を強めています。この見通しはリスク資産への選好を急速に高め、豪ドルなどの資源国通貨にとって追い風となっています。

![TradingViewによる2025年豪ドル/米ドル（AUD/USD）チャート]

テクニカル分析：豪ドル/米ドルの方向性

テクニカル観点からみると、豪ドル/米ドルは年内の重要なレジスタンスレベルを突破し、さらなる上昇余地を示しています。市場専門家は次の目標レベルとして0.67の水準に注目しています。

このブレイクアウトには明確な取引量の増加を伴っており、上昇トレンドの信頼性を高めています。RSIインジケーターは依然としてオーバーボートゾーンには達していないため、短期的にはさらなる上昇の余地があると考えられます。

ファンダメンタル分析：金融政策の影響

ファンダメンタル面では、オーストラリアの労働市場は引き続き堅調さを維持しており、インフレ圧力も根強く残っています。このため、市場では豪州準備銀行（RBA）が9月の政策会合で金利を据え置くとの見方が優勢です。

一方で、FRBが9月に利下げを実施するとの予想がほぼ確実視される中、豪ドルと米ドルの金利差拡大が豪ドル/米ドルのさらなる上昇を後押しする可能性があります。NAB（ナショナル・オーストラリア銀行）の予測によれば、2025年12月までに豪ドル/米ドルは0.70まで上昇する見込みとされています。

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