今日は最近の金価格の動きを語りつつ、暗号資産市場との連動についても見ていきます。

**市場ムードは微妙な雰囲気**

最大の変数はやはりFRB（米連邦準備制度理事会）です。12月10日のFOMC会合では、ほぼ間違いなく25ベーシスポイントの利下げ（市場は89%の確率を織り込み済み）となりそうですが、問題はここから——皆が心配しているのは「タカ派的利下げ」になるかどうかです。つまり利下げはするものの、その後は金融引き締めに転じる可能性がある、という見方が広がり、この予想がドルインデックスを99.07まで押し上げました。ドルが強くなれば、当然ドル建ての金は圧迫されます。

一方で、ロシア・ウクライナ情勢も未解決で、中米間の経済・貿易関係も調整中です。本来ならこの不確実性はリスク回避資産にとってプラスのはずですが、今の市場の目線はFRB一点集中で、地政学的な影響はかなり薄まっています。

**テクニカル面をざっとチェック**

1時間足チャートを見ると、金価格は4,200のラインでしっかり頭を押さえられています。昨日4,211.27まで上昇した後すぐ反転し、今日は4,193付近をうろうろ、4,200の上にはなかなか定着できません。短期的には4,190～4,200のレンジ相場となっており、出来高も伸びず、典型的な急落後の弱いリバウンド局面です。

もしトレードするなら、4,180～4,190付近のサポートに注目し、ここを抜ければ4,210～4,220を目標に。もちろん、こういう場面では板をしっかり監視することが重要で、迷っているとチャンスを逃します。

**暗号資産市場との微妙な関係**

ここでBTC、ETH、SOLの最近の動きにも触れたいところ。FRBの政策見通しは金だけでなく、暗号資産の流動性にも直接的な影響を与えます。もし今回本当にタカ派的な利下げとなり、資金が引き締まるなら、リスク資産全体がもう一段調整する可能性も。逆にFRBの姿勢が予想よりハト派的なら、貴金属もデジタル資産もリバウンドのチャンスがありそうです。

いずれにしても、今は駆け引きの局面。シグナルをしっかり待つことが、無闇に追いかけたりパニック売買するより賢明と言えます。