クリスマスが過ぎたばかりなのに、ブロックチェーン上での重いニュースが暗号市場全体を瞬時に沸騰させた。ETHを8年以上保有している大口投資家が突然動き出し、一夜にして14.3万枚のETHを複数の未知のウォレットに移動、現行価格で約32億円を現金化し、ETHの価格は急落して2800近くまで迫った。

これは単なる個人投資家の損切りではない。このプレイヤーの背景はかなりのもので、2015年にETHがICOを行っていた頃から参入しており、コストは1ドル未満だった。それ以来、まるで釘のようにこの位置に留まり、市場では「ETH化石」と呼ばれている。歴史上、この人物がポジションを動かすたびに市場は揺れ動いてきた。2016年には1.4万枚を売り出し、ETHを10ドルから6ドルへと叩き落とした。2023年には1.55万枚を放出し、15％の急落を引き起こした。しかし今回は14.3万枚という規模で、これまでで最大の動きといえる。

さらに目を引くのは移動方法だ。複数のウォレットに分散して送金しているが、この手法は通常、二つの可能性を示唆している。一つは段階的に資金を引き出して現金化しようとしているか、もう一つは大規模なポジション調整を行っているかだ。いずれにしても、短期的な売り圧力は避けられない。

巨額の売却は珍しいことではないと考える人もいるだろうが、今回はタイミングが特に重要だ。現在のマクロ経済の状況を見てみると—アメリカの第3四半期GDP成長率は4.3％に急上昇し、市場予想を大きく上回った。FRBの1月の利下げ確率はすでに13％に戻り、高金利の予想が強まっている。このような背景の中、資金はリスク資産の評価を押し下げる方向に動いており、大手投資家の大規模な離脱は、そのインパクトを何倍にも増幅させている。このシグナルが来年のポートフォリオ運用に影響を与えるかどうかは不明だが、とにかくしっかりと見極める必要がある。