RSIの計算方法と、プロトレーダーが市場を読むために使う真実

RSI(相対力指数)は、市場のトレンドを長年にわたり見極める有名な指標ですが、その使い方について誤解があると、トレーダーは思った以上に損失を出すことがあります。今日は、RSIの計算式が実際に何を意味しているのか、そして優秀なトレーダーはそれをどう活用して市場の心理を読むのか、単なる反転ポイントの予測ではなく理解を深めていきましょう。

RSIは最高値・最安値を予測するツールではない

初心者の多くは、「RSIは30で買い、70で売るべき」と学びますが、これは大きな誤解です。RSIが70を超えたときは「買われ過ぎ」(過熱状態)、30を下回ったときは「売られ過ぎ」(過小評価)と解釈しますが、こうした見方は「トレンドに逆らう」危険な手法です。特に、強い上昇トレンドでは、RSIは70超えの状態を何週間も維持し続けることがあります。

最も重要な点:RSIはモメンタムを読む指標であり、反転ポイントを示すものではない。RSIが長期間70を超え続けていても、必ずしも下落に向かうわけではありません。むしろ、買い圧力が非常に強い状態を示しているのです。強い上昇トレンドでは、RSIは何週間も過熱域に留まることもあります。

RSIの計算式:すべての始まり

多くのトレーダーはプラットフォームに任せて計算をしませんが、「RSIの計算式」を理解しておくと、より深く使いこなせるようになります。

基本は、RS(相対力)の比率にあります。

RS = 平均上昇幅 / 平均下落幅

このRSをもとに、RSIは次の式で求められます。

RSI = 100 - (100 / (1 + RS))

結果は0から100の範囲の数値となります。

この式の意味:

  • 平均上昇幅 > 平均下落幅(RS > 1)→ RSIは50を超える
  • 平均上昇幅 < 平均下落幅(RS < 1)→ RSIは50未満
  • 平均上昇幅 = 平均下落幅(RS = 1)→ RSIはちょうど50

この50のラインは、市場の本当の均衡点を示しており、70や30よりも重要な基準です。

よくある誤解:70/30戦略の危険性

従来のトレード手法では、「30で買い、70で売る」と教えられますが、これは実は非常に危険な戦略です。なぜなら、市場が横ばい(サイドウェイ)のときだけ有効だからです。

強いトレンドでは、RSIは70や30を超えたまま長期間推移します。

例:

  • 強い上昇トレンド:RSIは70超えを何週間も維持。売りを急ぐと、まだまだ上昇余地があるのに早売りしてしまう。
  • 強い下落トレンド:RSIは30割れを長く維持。買いを急ぐと、まだ下落が続くのに早売りしてしまう。

50ライン:プロが使う境界線

70や30だけを見るのではなく、まずは50ラインに注目します。

  • RSI > 50:強気相場(ブル)で買い圧力が優勢
  • RSI < 50:弱気相場(ベア)で売り圧力が優勢

この50ラインを基準に、RSIが上抜けたら買い、下抜けたら売りのサインと判断します。特に、RSIが50を下から上に抜けたときは、トレンドの転換の兆しです。

優秀なトレーダーの技:ダイバージェンスとフォールススイング

これらは初心者とプロを分ける重要なポイントです。

ブル・ダイバージェンス:価格が新たな安値(Lower Low)をつくる一方、RSIはそれに追随せず、より高い安値(Higher Low)をつくる場合。これは売り圧力が弱まっているサインで、下落トレンドの終焉を示唆します。特に、RSIが30以下のときに出ると信頼性が高まります。

ベア・ダイバージェンス:価格が新たな高値(Higher High)をつくる一方、RSIはそれに追随せず、より低い高値(Lower High)をつくる場合。買い圧力が弱まっている証拠で、上昇トレンドの終わりを示します。特に、RSIが70超えのときに出ると信頼性が高まります。

フォールススイング(Failure Swing):RSIのダイバージェンスの後に、RSIが逆方向に振れて、以前の高値や安値を突破する動き。これが最も強力なシグナルとされ、これを確認してエントリーします。

RSIのトレンド適応:市場の種類による使い分け

従来の教科書では、RSIは70/30を基準にしていますが、実はトレンドの強さに応じて使い方が変わります。

強い上昇トレンド:

  • RSIは40〜90の範囲で動き、30にはほとんど下がらない
  • 40〜50のゾーンが新たなサポートライン
  • プロは、RSIが40〜50に下落したときに買いを入れる

強い下降トレンド:

  • RSIは10〜60の範囲で動き、70にはほとんど到達しない
  • 50〜60が新たなレジスタンスライン
  • プロは、RSIが50〜60に反発したときに売りを仕掛ける

横ばい(サイドウェイ):

  • 30と70の範囲内で動き、買いと売りの戦略が有効

トレンドフォロー:センターライン(50)クロスの活用

長期トレンドを追うトレーダーは、RSIが50を上抜けたら買い、下抜けたら売りと判断します。

しかし、より確実なエントリーには、「コンフルエンス」(複数のシグナルの重なり)を重視します。例えば:

  • RSI + プライスアクション:RSIが30付近で反発し、価格が重要なサポートに到達したとき
  • RSI + MACD:ダイバージェンスとMACDのゴールデンクロスが同時に出たとき
  • RSI + サポート・レジスタンス:価格がレジスタンスを突破し、RSIもダイバージェンスを示したとき

実例:金(XAUUSD)の正しいRSI活用例

4時間足チャートでのシナリオを想定します。

  1. 価格が3,850ドルから4,200ドルまで上昇し、RSIは70超えを維持。
  2. しかし、4,200ドルで高値をつくるも、RSIはそれに追随せず、Lower Highを形成(ダイバージェンス)。
  3. そこで焦らず、RSIが50を下抜けて、さらにFailure Swingを確認。
  4. 価格が4,150ドルで陰線(ベア・エングルフィング)を形成し、RSIも50を割ったらエントリー。
  5. 損切りは4,200ドルの高値の少し上に設定し、利益確定は最安値付近に。

このように、明確なエントリポイントとリスク管理を行えば、プロの手法に近づけます。

RSIの弱点と対策

  • チャoppyな市場では誤ったシグナルを出すことがある
  • ダイバージェンスは長期間続くこともあり、トレンドに逆らう動きもある
  • 遅行指標(Lagging Indicator)であり、先行指標ではない

対策としては、RSIだけに頼らず、複数の指標やチャートパターンと併用し、「コンフルエンス」を重視しましょう。

正しい理解と戦略で利益を掴む

多くの初心者が犯す誤りは、RSIの本質を理解せずに使ってしまうことです。成功の鍵は、

  1. RSIはモメンタムを測るものであり、反転を予測するものではない
  2. 70/30だけに頼らず、市場のトレンドを読む
  3. 50ラインの重要性を理解し、そこを基準に判断
  4. ダイバージェンスやフォールススイングは強力なシグナル
  5. 他のツールと併用して「コンフルエンス」を作る

これらを理解し、計画的にトレードすれば、RSIは最も強力な武器となるのです。

原文表示
このページには第三者のコンテンツが含まれている場合があり、情報提供のみを目的としております(表明・保証をするものではありません)。Gateによる見解の支持や、金融・専門的な助言とみなされるべきものではありません。詳細については免責事項をご覧ください。
  • 報酬
  • コメント
  • リポスト
  • 共有
コメント
0/400
コメントなし
  • ピン