ポジション管理の中に「ロールオーバー」という絶技がある。聞こえは堅実な儲かるマシンのようだが、実際は両刃の剣だ。

暗号資産界の伝説的な話は皆知っている——5万の元手で2000万に増やしたり、100万の口座を2億にロールオーバーしたり。こうした事例は空に飛び交っているが、その背後にはほぼ同じ戦略：ロールオーバーがある。私も500ドルを3日で50万に倍増させた狂気の操作を見たことがあるし、ロールオーバーで一夜にして全財産を失った人も見てきた。違いはその一線の向こう側にある。

ロールオーバーは一見簡単に見える——得た浮動利益を新たな元手として再び賭け、利益を雪だるま式に拡大させる。しかし、その背後には無謀ではなく、しっかりとした論理が支えている。

**本当にロールオーバーを操るトレーダーは知っている鉄則：頻繁なロールオーバーは自殺行為だ。** 市場の約90%はレンジ相場で動き、実際の一方向のトレンドは10%しかない。もしレンジ相場の中で絶えずロールオーバーを続けるなら、それは何度も元手を消耗し続け、最終的には口座がゼロになる。

ロールオーバーとは何か？簡単に言えば「浮動利益を追加資金にして再投資すること」——利益が出ている部分を新たな弾として使い、継続して投入することだ。これは普通の追加投資とは全く異なる。本当のロールオーバーは、すでに得た資金を土台にして、動的にポジションを調整しながらリスクとリターンのバランスを取る必要がある。

ロールオーバーの秘訣は実は四文字：**順勢而為**。これは非常に選ばれた環境を必要とする——一方向のトレンドに最も適しており、上昇も下降も関係ない。しかし、レンジ相場で無理にロールオーバーを続けるのは、自分の頭に銃を突きつけるようなものだ。

この戦略が暴利を生む理由は、レバレッジと複利の威力を利用している点にある。トレンドが明確なとき、成功したロールオーバーはポジションを倍増させ、利益は指数関数的に増加する。しかし逆に、判断を誤ったり市場が逆転したりすれば、損失も同じ速度で飲み込む。

だから、ロールオーバーは決して堅実な儲け方ではなく、高リスク・高リターンの極端なゲームだ。成功例は存在するが、失敗した人の方が圧倒的に多い。ただ、その物語は誰も語らないだけだ。